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2010年3月 3日 (水)

今夏ゆかた商戦いかに戦うか? <Part2>

昨日に続いてのテーマである。
昨日は「ユニクロ、量販店恐れるに足らず、比べても意味無し」と「浴衣扱いシーズン計画をたてる」というテーマを語らせてもらった。今日は、「年代別スタイリング訴求」と「浴衣購入客は将来のきもの客候補」という内容で考えてみたいと思う。

1、 年代別スタイリング訴求
浴衣を購入する年代は店の形式を問わず10代〜30代で構成されている。最も多い割合は20代、ついで30代、そして10代の順だ。そしてこれらを着装シーンという形で分析するとその違いが明確に見えてくる。

まず10代〜20代前半の浴衣着装シーンは圧倒的に花火大会やお祭りが多く、友達同士で着る場合が多い。そして彼女達の感性での「かわいい」を求める。だからスタイリングとして帯は圧倒的に兵児帯、そして飾り帯揚げ、飾りひも(帯締めっぽくしめる)、髪飾りも派手めで可愛いものやレース衿などアクセサリーを多用するコーディネイト提案に目が止まる。

20代全般においてのシーンはもちろん花火大会や祭りも行くがシチュエーションとしては少し落ちついて、カップルや友達同士でも割に少人数で出かけることが多い。スタイリングも「かわいい」は求めるものの「可愛すぎず地味すぎず」という少し大人っぽい雰囲気を求める場合が多い。スタイリングとしては帯も少し大人しめで、兵児帯より半幅帯がベスト。またアクセサリーも派手過ぎないものをコーディネイトすると良い。ただ地味すぎないように全体的に品のいい可愛らしさを出せればベストである。

30代全般においてのシーンは、花火大会や祭りもそうだが、友達同士でカフェやレストランでのお食事会などの楽しみ方をするパターンも出てくる。会社からの要請があって着ていく場合もある。またお子さんがいる場合は一緒に着て楽しむというシチュエーションも多く、全般的には大人しめのスタイリングだ。ただし、呉服屋としてこの年代へのスタイリング提案はゆかたを夏きもの風に着るという提案が意外に新鮮に感じてもらえる。しかも品が良いので受け入れられ易い。例えば帯はポリエステルの紗献上名古屋帯や麻の半幅帯等はこの年代には新鮮だ。当然正絹の絽の名古屋帯、八寸でもいい。また関連品としては帯留め、夏小物などを併用するとより雰囲気が出る。また本格的にするなら麻やポリ麻の交織などの長襦袢なども品揃えして提案するともっと本格的だ。

このように年齢別のスタイリングをトルソーに着付けて解り易く提案することが競合店との差別化にもなり、入店したお客様が関心を示したスタイリングによってその方の大まかな好みも解る場合が多い。また、こういう提案をすることによって店頭に動きが出てアテンション効果が高まりお客様が立ち止まり易い。そういう店には必ずお客様が入ってくる。
年代別スタイリング提案は、お客様に解り易いだけでなく、販売員にとってもお勧めしやすいし、好みの把握にも便利だ。
お客様の着装シーンをキチンと分析し、それに合わせた店頭のオペレーションをしっかりと組み立てることで想像以上の数の新規客数を浴衣によって獲得出来るのである。

2、 浴衣購入客は将来のきもの客候補
多くの呉服店に話を聞くと、浴衣購入客はあくまで浴衣目的だから後々きものに発展しないというが、私の経験では浴衣購入客は約2割が1年以内にきもの購入客に発展するというデータが出ている。逆にポリエステルきものから正絹購入客に発展する割合はその半分の1割である。これは私の約20年の現場経験で取ったデータだが、平均すると確かにそうなっている。

もちろん上記のようなスタイリング提案の販売が大前提だが、浴衣を購入するお客様は初めて自分で選んで買うという場合が多く、初めてきものというものを体験する場合が多い。特に浴衣とそのスタイリングを非常に気に入って購入すると、きものに対しての印象がいい方向へ変わる。そこでお客様の負担にならない程度に綿のきものや自店のお勧めのきものを紹介してもよい。どちらにしてもお客様が浴衣を心の底から気に入って頂き、お買い求め頂くことで、きものという世界の間口が一気に広がるチャンスであることを認識したい。


また、新規客を顧客化するにはコンタクト回数を増やすことが需要だ。コンタクト回数を増やすことでお客様とのコミュニケーションが深まり、店の年間を通してのセールや催事、その他イベント等に気軽にご案内が出来易くなる。そうすることで将来のきもの購入の確率が高まるのである。

ではコンタクト回数を増やすにはどうすれば良いか?各お店のシステムや状況によって違うので一概には言えないが、まずは、浴衣の着付けサービスを実施することである。これが一番効果的である。お客様にとっては着付けてもらえるのは好都合であるし、お店への好感度も上がる。店にとってはコンタクトがとれる他、着付けというのは1対1で行うことからスタッフとのコミュニケーションがとれる絶好の機会だ。このサービスに関しては、営業効率は一時的に下がるが顧客深化ということを目的とすれば大きなメリットがある。

その他、シーズン終了後にはお客様に対してクリーニング等のお手入れサービスをPRし持ってきてもらうことで再びコンタクトがとれる。より確実なのは「お手入れキャンペーン」などを実施し、期日を設定してお得な価格とすることで受注率は高まる。このような2つのサービスをすれば、1、浴衣購入、2、着付けサービス、3、お手入れキャンペーンとワンシーズンで3回のコンタクトが出来る。これをそれぞれのスタッフがキチンと理解して実施に当たれば、前述したようなデータにあるような確率できもの客として発展する可能性が高くなる。ワンシーズンスタッフ1人当りの浴衣購入客数×20%がきもの客に発展し、更に掛けるスタッフ人員分が店の新規きもの客数となるから実に大きい。

本日のまとめ
1、 年代別スタイリング訴求
2、 浴衣購入客は将来のきもの客候補

呉服店にとって浴衣商材は、1年を通して最も効率的に集客と新規客数を増やすことが出来る最高のものだ。ただし、店の魅せ方、提案の仕方、後のフォローの仕方まで事前にしっかり計画し、店としての方針を決めておかないと、きもの客候補どころか顧客化も出来なくなる。このブログで述べたPart1、Part2のそれぞれの考え方の中で各お店毎の現状を踏まえた上で是非とも検討した上で実践してみて欲しい。
呉服屋としての最大のメリットを生かし、今夏のお客様の最高のゆかたライフを演出することで着物の楽しさを発見してもらい、着物の間口を広げていただけることを心から期待したい。

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