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2010年3月20日 (土)

レンタルは新しいヒントとなるか?

「嫌消費」という言葉がマーケティングの中で聞かれるようになった。
バブル崩壊後の不況時代に生まれた世代の消費価値観だそうだ。もちろんその世代全てではないが、その傾向は強いようだ。車など高額な嗜好品を買うことをためらい、本当に必要なものを吟味して消費する。ある意味若者としては非常に堅実ではあるが全てが現実的であり、いささか寂しい気もする。

車といえば軽自動車の新車でも80万円はする。車という価格価値観からすれば安いかもしれないが、十分に高額品だ。しかしこの車という高額品を販売するために最も必要なのは「試乗」である。ニューモデルが出たら試乗キャンペーンを展開し、通常の販売時でもお客様の希望車種の試乗車があれば必ず試乗してもらう。では何故試乗を実施するのか?それはお客様に気になっている車を「体感」してもらうためである。

この「体感」は非常に大切である。お客様は特に高額なものについては事前にお客様なりの調査をする。カタログ、雑誌、TV、インターネット、友人、家族など今では十分すぎるほどの情報量によってかなり詳しい知識を容易に手に入れられる。ただ1つだけ調べても手に入れられないものがある。それが「体感」だ。体感することによって欲求は増長し消費意欲をかき立てる。

いま、着物ビジネスは新たな試みをしている。それがこの着物体感ビジネスだ。消費者に対して着物の良さや楽しさをまずは体感してもらおうという動きがでてきている。京都では京都産業会館に1Fにあるきものステーション京都では以前から観光客向けに安価で着物レンタルを行っているが、ここへ来て利用者が急増しているようだ。また京都市内のその他の着物レンタルショップでも小紋や紬などの着物レンタルが好評とのことである。

東京でも各小売店が着物イベントへの協賛としてレンタル着物の提供を行い、非常に好評を得ている。今日3月20日から行われる東京ミッドタウンでの着物レンタルも小売、メーカーなど約10社ほどがレンタル着物を提供している。

今まで、レンタル着物といえば、セレモニー用の式服がメインとされて来た。その代表的なものが成人式の振袖であり、ついで七五三のきもの、結婚式では留袖、男物紋付盛装、不祝儀用の黒紋付などである。これらはレンタル業として成熟した市場であり、最近は子供専門写真館の最大手「スタジオアリス」も成人用レンタル着物市場に参入し、競争が激化している。

呉服小売としてのビジネスは、これらレンタル業界との競合は全く意識していないといって良いだろう。何故なら、年間を通して中心となる商品は今明らかに式服ではなくカジュアル着にシフトしているからだ。(もちろん中にはフォーマル中心の品揃えの店もあるが)

これらがこれからの呉服小売のヒントになるのでは?と考えている。
お客様は着物自体を見て知ること以上に着て知ることの方が何倍の効果がある。

例えばこういうことも考えられる。
その店の一番紹介していきたいカテゴリーの商品を無料でレンタルし体感してもらう。十分その着物の楽しんで頂いた後、改めてその店のお勧め着物を提案する。お客様も体感し、いい意味での見る目をもってくれているため、お客様も販売員も双方が共感するような販売が生まれやすい。こういう販売であれば変な価値アップもなく、お客様にストレスを与えず美しい販売が出来るのではないかと期待している。

また、できればその体感着物レンタルは無料であって欲しい。あくまでも試着ということであるならば、有料よりも無料の方が遥かにきものを着てみたいという潜在意識を呼び起こすなど間口が広い。そして利用者が増えれば、それがそのまま集客にもなる。体感無料着物レンタルは超有効な集客手段でもあるのだ。もちろん店に無料レンタル実施中などのスローガン的告知は全く意味をなさないので、定期的なイベントや商店街やSCのイベントへの参加、地域コミュティなどとの共同企画等様々な活動から、着物を体感してもらい、良さや楽しさを知ってもらうことで、次の段階での着物提案という営業が出来るのではないかと期待している。当然無料にする場合は費用対効果のことを考えるが、少ない投資で意識の高い集客の創造が出来るということを考えればすぐにその分は回収できるはずだ。

もちろんまだまだヒント的な青写真であるためこうすると絶対にいいとは言い切れないし、じゃあどうやってそこから販売につなげるのかは、色々な案はあるにしろ、絶対的に確信出来る策はまだ少ない。しかしながら、お客様に十分体感してもらった上で、着物というものを適正価格でお勧めしていくという骨格さえあれば、次世代型の新しいビジネスモデルは構築できるはずである。

嫌消費は決して消費しないのではなく、自分の価値観に合い、十分吟味し納得した上でやっと消費に至る。
着物も嫌消費世代といわれる若年層ターゲットに体感を通して、その消費価値観を獲得することができれば大きな前進である。

是非ともこのヒントを活かせるようもっと深く詰めていこうと思う。


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