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2010年3月23日 (火)

着物産地にステージを

今日の内容は私の夢を書こうと思う。
私のツイッター仲間で、ICHIROYAさんという古布や古着を世界に発信しているネットショップの経営者がいる。約10年程前からなさっているそうだが、その商品の全ては非常に興味深いものばかりである。ユーザーは当然外国の方であり、古着を着て楽しむのはもちろん、コレクションとして買い求めたりとその購買動機は様々なようだ。

古着を売るのは簡単そうに思うが、実は新品を売るより難しい。もちろん古物商としての免許が必要なのだが、ここで言う難しさとはそういうことではない。
古着の難しさはその素性がわからないことである。いつ頃のもので、どこで作られて、どんなもので、どんな価値があり、どんな値段が適正か?という判断が1枚1枚必要になる。新品なら全てがわかるからそういう意味では分かりやすい。

だからこそ「見る目」が問われてくる。ICHIROYAさんはそのために、物凄い勉強と経験をなさってきている。当然様々な失敗も経験している。そして膨大な数の着物や古布を触れている。素材にも精通している。だからこそ見る目が深い。そしてとにかく謙虚だ。常に学ぶことに貪欲なことがうかがえる。だから私も着物自体の話をする時はとても緊張する。

そう考えると違う見方をすればICHIROYAさんは「古着」という商品の「産地」であると思う。古着1枚1枚の素性を明らかにして、新たな息吹を吹き込み、価値創造をしてユーザーに提供しているからだ。

今、この厳しい呉服産業の中でもっとも苦しんでいるといわれているのが、川上に位置する人達。いわゆる「産地」だ。買い継や問屋に仕入れてもらうことで生産が機能していたが、いまやそれ自体が機能しなくなってきたことで、物が作れないでいる。産地は生産地であるから生産ができないことは死を意味すること一緒だ。しかもそれを物語るように廃業のペースも速度を増している。これはむやみに危機を煽っているのではなく、現実、物を作れば作るほど負担が増え、物を作らなければメシを食えないという全く矛盾した状態だから辛い。


私の夢は各産地がダイレクトに小売業者とそして消費者と向き合えるステージを作ることだ。もちろん今の流通もキチンと維持しながらである。ちょっと前なら産地のダイレクト取引はタブーであったが、ここまで流れが厳しくなると川中が本来のデストリビューター機能をなさなくなってきているので、川上に生き残ってもらうためにも抑制は出来ない。

私が考えるステージとはいかに取引間にコストを掛けないで効率的な場所を作るかという意味である。そう考えるとやはり電子商取引。いわゆるインターネットでのポータルサイトだ。もちろんもうすでに稼働している各産地のメーカーもあるが、そのほとんどがB to Cの流れ。いわゆるダイレクトでのネット小売である。ただしこれが本当にメーカーにとって効率が良いかどうかは定かではない。もちろん多くの顧客をとればそれなりの売上にはなるが、アクセス数を増やすためにはそれなりのコストが必要となる。普通にサイトに載せてもそうたやすくアクセスが増えるものでもないし、ましてや契約数が増える訳でもない。

私が考えているのは、集散地ポータル。いわゆる他産地を集めいくつかのカテゴリーに分けて細分化することで、利用する側の選択幅を広げる。そうすることで、1メーカー当りの在庫量は少なくても十分商いが出来る。また似たような条件検索をしたとしても、メーカーレベルなら商品のバッティングは少ない。だからよくある同一商品による価格競争ではなく、商品自体の比較になる。
これをB to Bを基本としながら、間口を消費者にもひろげ、B to Cもできるような2つの機能を持ったポータルサイトというステージである。

またB to Bの部門では小売にとって利便性の高い情報提供をするため、催事アドバイザーの手配、求人情報、展示会場の検索及び予約、催事説営業者の検索、広告代理店、什器業者などなど小売の経営及び営業に必要な部分も盛り込まれたサイトであれば理想的だ。

一方B to Cの部門においては、商品購買だけでなく、きものケア、仕立て、なども好みの選択機能で検索出来、より消費者好みの買い方が出来るような内容のものにしていく。

これらは全て理想の段階である。実現するには様々な問題をクリアしていかなければならない。
サイト構築に関しては、サイト製作業者の選択さえ間違えなければクリアは出来る。ただし、これだけの内容となると構築コストはかなりのものとなるので、資金的な問題はある。だからビジネスパートナーは必要であろう。

最大の問題は、産地にどう理解してもらうかだ。既に幾つかのメーカーはもしそういうものが出来たらすぐに手を挙げると言っている心強いところもあるが、といったところで業界のネットに対する理解度は、流通の上流へいけばいくほど低い。またダイレクトに対しても我々が思っているほど積極的なわけではない。産地メーカーにとって小売業者とのダイレクトは危険と感じる部分が多いからだ。正しい理解を得るためには「営業」が必要になってくる。

他にも様々な問題点はあるが、産地という厳しい流通段階での位置付けだけではなく、より自力による取引という経営の間口を広げていくという大きな夢を常に考えている。いつも受注を待っているという状況から能動的な動きをすることが今の状況への対応だ。環境適応能力を産地にも身につけて欲しい。

とにかく問題は山積みのままだが、私としては夢の実現に向けて動き出してはいるので、各方面の方々には是非ともご協力頂きたい。そして、着物ファンの皆様からも、もっとこうなったらいいというアイディアや願望も頂きたいと思う。

着物産地にステージを作ること。これが夢であり目標である。

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