« 本場奄美大島紬のおはなし | トップページ | 西陣の大恩人 »

2010年3月30日 (火)

問屋は現場力

「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!」
「どうして現場に血が流れるんだ!」

ご存知映画「踊る大捜査線」のパート1、2の名台詞だ。

この映画は青島刑事がいる現場主義の所轄と室井警視がいる本庁との関係を背景に管理組織と現場組織の葛藤を面白おかしく描いた最高のエンターテイメントムービーである。

一流は現場を大切にする。私の尊敬する㈱やまとの矢嶋社長も1年のほとんどを現場で過ごす。口癖は「現場・現物・現実」だ。同じく尊敬する東京山喜の中村社長も現場を大事にする。特にたんす屋のセール時には必ず一日中売場に張り付いている。驚くのはお客様の顔まで憶えている。
有名な京都の伊右衛門サロンをプロデュースした㈱クリップの島田昭彦社長の口癖も現場100回である。

今、私が問屋をコンサルティングする上で徹底して拘っているのが、問屋の営業担当者の現場力である。今までの問屋は、小売の要望を聞き、商品を供給するといったスタイルだ。また催事においても、企画をいくつか設定し、小売店に選んでもらう。そして売場で販売の手伝いをするといった内容だ。決して間違いではないが、消費の変化によって現場の状況が変わってきたのだからそれでは確実に良くはならない。むしろより衰退の道を辿るだけだ。

以前にも取り上げたが、問屋は夢の商売だと確信している。豊富な商品量と圧倒的な販路、営業担当者の数。どれをとっても業界一の資源を有している。世間では問屋の存在に対して風当たりは強いが、そもそも小売が以前より売れなくなり、仕入れが出来なくなり委託中心の取引になっているのだから、小売から買ってもらえない問屋がメーカーから仕入れられなくなるのも、残念ながら現状では自然な流れだ。

ただし、キツいキツいと言っているだけでは何も変わらないし、余計にキツくなるだけである。

私が拘る問屋の現場力とは、まず営業担当者が徹底的に小売の現場介入することだ。消費者がなにを望み、何が売れているのか、小売の販売員が店頭で何に苦しんでいるのか?催事動員で支障となっているのは何か?どのようにして集客をしているのか?などを営業担当者自らが、販売員と一緒に体験することで肌でわかるようになる。

私の問屋営業のコンサルティングスタイルは、問屋の営業担当者全員に徹底的に現場を知る大切さをわかってもらうミーティングから始まる。全体でやったあとに個別でもミーティングをし「そうはいっても」というネガティブ発想を排除する。そして現場で販売や、電話などのロールプレイイングもいっしょに実施する。そして現場の責任者(店長)の指示に従ってもらう。それによって様々なことが見えてくるのだ。

それが出来た上で営業担当者には担当小売店への年間の店頭と催事商品提案を企画してもらう。小売からの要望を待つのではなく、営業担当者が組み立てて逆に提案していくのだ。その年間提案も現実的なその店の現状やデータ分析を全て把握した上での「貴店は〜だからこれを提案します」という根拠ある提案だ。もちろんこれは大手チェーンなどでは向かないし受け入れてくれない。また年間計画が細部にわたるまでキチンと計画されている専門店さんにも不要だ。
ただそうでないところが圧倒的に多いからこそ必要なのである。そしてその圧倒的に多いところが自社の売上を支えているのであるから尚更だ。

これを実施すると、変われる人と変われない人が一目瞭然にわかってくる。そして事前ミーティングなどで徹底的に言っても変われない人を深追いはしないようにしている。何故なら明らかに変われる人との差がどんどん大きくなるからだ。これだけは絶対に間違いない。そこで変われなかった人がその差に気付き変われたならそれは自助努力によって大きく今までと数字面が変わってくるだろう。それでも尚かつ変われなかった人はいずれ淘汰されるだろう。

小売の現場で着物という商品がどんな人にどのようなものがどんな風に売れていくのか?を営業担当者が実地で体験し理解することで、本当の意味での小売店への貢献が出来る。小売店が売れることで商品を供給している問屋もうれることになる。問屋が売れることで商品を産地から補充することが出来る。この回転が川の流れを少しでも良くすることが出来るのである。もちろん1つの問屋だけが良くなるだけでは業界は向上しない。同じような考え方で数多くの問屋業が動くことで大きな新しい風が業界全体を動かすのである。

だからこそ営業担当者一人一人の現場力が必要なのだ。
今やっているような催事に特化したような供給は川の流れを増々細くさせるだけでなく、水さえも流れなくなるかもしれない。

もう目の前の売上だけを追うのはやめにしよう。商品を供給している小売業者が新しいお客様を増やせるような地道なフォローをしていこう。もちろん催事も必要だ。だがそれが全てではない。正しい道はきものファンという裾野を広げるフォローをすることだ。

これからの問屋としての新しいビジネスモデルは「小売との協業」なのだ。
そのために「小売という現場」をしっかりと体で感じることが絶対にひつようなのである。


「売上は机の上で出来ているんじゃない!小売という現場で出来ているのだ!」


人気ブログランキングへ
  ↑
どうかひとつポチっとお願いします!

にほんブログ村 ファッションブログ 着物・和装へ
にほんブログ村
  ↑
こちらのほうも是非ともポチっとお願い致します!!
今日もお読み頂きありがとうございます!!

|

« 本場奄美大島紬のおはなし | トップページ | 西陣の大恩人 »

ファッション・アクセサリ」カテゴリの記事

コメント

興味深いお話でした。ありがとうございます(^^)

投稿: ちぷた | 2010年3月30日 (火) 03時08分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1284655/33996257

この記事へのトラックバック一覧です: 問屋は現場力:

« 本場奄美大島紬のおはなし | トップページ | 西陣の大恩人 »