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2010年3月17日 (水)

価格はお客様が決めるもの

今日は私がとても会いたかった人に会うことが出来た。もちろん仕事上でだが。とにかくスケールが大きい。仕事もさることながら人というか心のスケールが大きい。私はどうしても向こう気の強さが随所に出てしまうタイプなのだが、その人は冷静で深い。こういう人にはどうしても惹かれてしまう。いい仕事ができればいいなと心から思う。

その帰りに用があって新宿に寄ったのだが、駅前の喫煙所に集まったスモーカー達をみて「もしタバコが1000円になったらこの中で何人禁煙するのだろうか?」と思った。私もヘビースモーカーの部類に入る1人である。体に悪いということは重々承知だがやめようとはあまり思わないのが救いようがないのだが。しかし1000円になったらかなり考えると思う。なぜならそこまで上がると買おうとは思わなくなるからだ。

新しい商品を開発するときにはマーケティングから入る。コンセプト、ターゲット、トレンドなど数値と現状と予測などを徹底的に検討する。そして大切なのは価格とコストである。もちろんコストは会社都合の指標ではあるが、価格は会社都合とはいかない。企業のバイヤーは価格を起案するが決定権は基本的にトップの最終判断であることが多い。

ここで大きな過ちを起こし易いのが「いくらになるか」と「いくらで売れるか」だ。OEMにしろ仕入れにしろ呉服は「はじめにコストありき」になってしまう場合が多いようだ。最終の製品原価がいくらだからそこに値入れ分を足して価格(上代)を決めているケースがまだまだ多い。そうなってしまう気持ちもわからないではないが、そこにはお客様がいない。

上記のケースは主に「仕入れ」の場合によく起きることなのだが、コスト積み上げ方式の価格決めは、あとですぐ見切りになる場合が多い。仕入れにしろ委託にしろ「いくらで売れるか?」が事前にないと結局はお客様からはじかれてしまう。端的に言えば「お客様にお買い上げ頂く=お客様に支持された」ということなのだ。であるなら「お客様に支持される価格」というものが基本的に適正価格となる。もちろん安価であればあるほど買上率はアップするが、収益率は価格が安価になればなるほど低下する。当然商売である以上は「収益率」は大切だ。であるから、「お客様に支持される価格+収益目標を満たす価格」が適正価格となる。

ただしこれが非常に難しい。価格はそのカテゴリーの買上率の高い価格周辺を候補として、かつ原価率との関係性で決めていくことが基本であるが、その他に色柄やブランド、クオリティーなどでも微妙に変わっていく。それらを細かく検討した上で「売れる価格」を割り出し、販売予測を立てた上で初めてMDという作業に入っていく。

仕事柄様々な小売店をリサーチし無数の商品や価格を見る機会があるが、やはり先に述べたような適正価格を設定しているところは、売上もそして販売の質も高い傾向にある。その逆はどうしてもそれなりだ。

また「売れる価格」を決めたとしても原価率を満たすとは限らない。メーカーもメーカーなりの「売れる価格」があるからだ。メーカーもきちんとしたマーケティングやトレンド、品質とそこから割り出したコストによってきちんとした価格を設定しているからだ。よってここからは小売とメーカーとの協議になる。OEMなどこれから作る物に関してはコンセプトをメーカーと共有し共感してもらうことで適正価格の実現を図れるし、既存商品の仕入れなら、リスクの所在によって異なるものの双方の共感が必要となる。

本当に価格は難しい。かといって販売の現場でお客様の言値にする訳にはもちろんいかない。価格は失敗の連続だ。
しかし、これだけは絶対にいえる。価格はお客様が決めるもの。お客様が支持するからこそ「買う」という行為が生まれる。

価格はお客様が決める。この姿勢を崩さない限りその商品は価格以上の輝きをもたらす。

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