礼装のススメ(家紋編)
今日のツイッターでの着物の話題に紋付の話が数多く出てきた。私も昨日のブログのテーマは喪装の話であったため、そういう意味ではタイムリーな話題であった。私もいくつかツイートさせてもらったが、普段きものを自分なりに楽しんでいる方々も礼装に関しては、キチンと受け止めており、関心も高い。
さすがに普段から着慣れている人達だけあって、その内容もかなり専門的なものが多かった。
黒紋付の話題ももちろんだが、色無地や江戸小紋を略礼装として着る上での1つ紋付の話も沢山あった。「紋」という言葉が今でもこれだけ認知されているのはすごいことだ。略式に略式を重ね、礼装もかなり簡略化している現代にあって「家紋」という言葉は老若男女問わず知っている言葉であろう。その家紋というものはどういうもので、どういう使われ方または使い方をしているのかを考えてみた。
ただし、家紋の捉え方は各家や風習によってかなり分かれている為に「こうだ」と決めつけることは出来ない。であるからここではあくまで一般論として言われていることを基本に述べたいと思うので了承して欲しい。
郷土家紋研究会によると家紋の数はなんと2万種あるといわれているから物凄い数だ。そしてその「家紋」と「姓」は非常に深い関わりがある。
よく江戸時代までは一般庶民に姓がなかったという話を聞くが、それはまったく根も葉もないウソであり、きちんと姓はあった。ただし、封建社会ゆえ名乗れなかっただけのことだ。
もともと庶民に姓を与えたのは聖徳太子と言われているそうだが、真実は定かではない。ただそのくらい古くから全ての民は姓というものを持っていたことになる。日本の姓の数は約30万種と言われており地方によっては村単位で同姓が固まっていたり、その地名がそのまま姓になっていたり様々だ。もっとも姓に影響を与えたと言われているのがご存知「藤原氏」の家系だ。伊勢国の藤原が元になった「伊藤」、下野国佐野の藤原氏が東北に一大勢力を気付いたため広がった「佐藤」といった具合に出身地と組み合わせたわかり易い姓だ。
ちなみに姓のベスト3は
1位 鈴木 → 本拠地は熊野であり熊野信仰の隆盛で一族が全国に散り今や
二百万人を大姓だ。
2位 佐藤 → 藤原氏から分かれた姓で、下野国佐野の藤原氏が起源という
3位 田中 → 田のつく姓は西日本に多いようで、稲作が盛んな地域に多い
といった具合に姓は様々でそのルーツを探ると楽しい。
一方で家紋は公家の牛車から始まったといわれている。また家紋は姓の目印に使われる等姓との関係は深いのである。また時代劇等でおなじみだが、戦の時に使われた幟(のぼり)や陣に張られた横断幕や馬印など様々な所に家紋は重要な役割として機能していた。いわゆる家紋は名刺みたいなものだ。
ちなみに家紋以外で家を表したのが今でいう江戸小紋だ。殿中での正装である裃の地紋が藩を表していた。例えば、「万筋」は加賀藩前田氏、「鮫」はご存知紀州藩徳川家、「大小あられ」は薩摩藩島津家などなど。日本の文化は家紋にしろ地紋にしろキチンと分かれている所が素晴らしい。
天皇家は家紋といわず紋章となるがご存知「菊」であり、天皇だけに許されている束帯の地紋は桐竹鳳凰紋である。
*紋を入れる場合、実家か嫁ぎ先かどちらの家紋をいれるのか?
色無地や江戸小紋、留袖や黒紋付を購入した場合、家紋をどちらのものを入れるか迷うことがある。自分の実家なのか?嫁ぎ先なのか?これはその土地特有の風習や決まり事などがある場合があるためキチンと確認する必要はあるが、呉服店のほとんどはこうアドバイスするだろう。
【結婚前なら実家の家紋】【結婚後なら嫁ぎ先の家紋】
これが最も一般的で簡単な考え方だ。ただし、先ほども言ったように地域や風習によって違う。たとえば京都の一部の地域や家では「母方の紋を受け継ぐ」というところもあれば、いかなる場合でも100%嫁ぎ先の紋でなければいけないなどの場合もある。それだけ家紋は日本の家系にとって重要視されているのである。
* 習い事でよく聞く女紋とは?
女紋と聞くと紋そのもののことを言っている場合もある。例えば「下がり藤は女紋」「丸に違い鷹の羽は男紋」などと言われるがこれは全くの俗説であり、あまり根拠はない。
ただし、茶道や華道などでは女紋というと「丸無し」のことを指す場合が多い。もちろん必ずではないが、茶道等では1つ紋の色無地や江戸小紋を多用する。その時に染め抜きもあるが縫い紋が圧倒的に多い。また縫い紋も「すが縫い」「けし縫い」「相良縫い」「じゃばら縫い」等があるが、比較的多いのは「けし縫い」である。
けし縫いは紋の輪郭を点字のように縫われており、丸ありにすると丸自体が二重に見えてしまう為、あえて丸無しにして紋の見栄えを良くしたことから、これを女紋と表現したのではないかといわれている。また女紋としての紋入れが流行ったため正式な染め抜き紋でもわざと丸無しに入れる例が今でも多い。
また参考までに縫い紋で見栄えがいいのは「すが縫い」であり紋の作りがしっかりと刺繍される。すが縫いで紋入れする場合は着物の地色と同色の縫い糸で入れるのがお勧めだ。そのほか紋の輪郭を線状にはっきりと縫う「じゃばら縫い」も多く好まれている。
このように日本人にとって家紋は現代に深く根付いた伝統文化であり、またそのデザイン性も国内外で高く評価されており、特に有名なのはルイ・ヴィトンのモノグラムはこの家紋をモチーフにしていることで有名である。そういった意味で後世まで残っていくものであろう。
そしていつも何気なく見ている自分の家紋を深く調べてみると、意外なルーツやそのデザインの理由などが明らかになり、より自分の家紋に愛着がわいてくるかもしれない。
みなさんもご自分の家紋や姓の歴史や由来をひも解いてみてはいかがだろうか。
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