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2010年3月 1日 (月)

「着方」の提案の可能性

今日、東京は青山の骨董通りに京都市の産業観光局のプロジェクトであるきものアンテナショップ「白イ烏」のオープニングレセプションが行われた。着物ショップのレセプションとしては最大級のもので鳩山美幸現首相夫人をはじめ多くの著名人や関係者が招待された。販売コンセプトは徹底して分かりやすく,買いやすい価格を設定し,従来のきものファンだけではなく,ファッションに関心の高い女性に「自分で買う一着目の『きもの』」として選んでもらう。
商品コンセプト:ビル街の中でもすんなりと溶け込むモダンさがあり,洋服感覚でファッションとして着られるきもの。

呉服業界、特に小売からはポジティブ、ネガティプ様々な意見が飛び交っているが私としては新しい事を始めるにあたって細部に至るまでのマーケティングと今後起こりうる自体の予測まで落としこんでのオープンであると感じられるので多いに期待したい。ただ私も新規出店のストアーマネージャーを2回経験し、1回は大成功、もう1回は大失敗に終わった経験がある。要因は本当に小さな変化に気付いていたかである。その蓄積が落とし穴となる。「新しい」は何かを発見し変える大きな力を持っているが、その反面誰も予測がつかないことも待っていることを何回も体験した。是非「白イ烏」はその先駆けになって欲しいと願う。

1、 新しいキーワードとしての「着方」を考えよう
ツイッター上では色々な着物に対しての提案や理想が呟かれており、まさに消費者のウォンツを知るには絶好の場所だ。そのなかであるフォロワーの呟きに目からウロコが落ちた。
「着るものの着方に王道なし、正解なし、早道なし!っつうことで着まくることでその人にあった着方になるもんだと思いますです。着るもの着るのにAさんが着てもBさんが着ても同じ着姿…じゃあ面白くないもんねっ。」
言葉だけをみたら当たり前のことを言っているようだが、実は着物を着付けるという観点だとほとんどの人が意外に気付かない。今ではほとんどの呉服店でトルソー(マネキン)にてコーディネイトを訴求している。それを目安にして消費者はきものというもの、またはその店の商品提案を認識している。いわゆる呉服店が提案する「着方」だ。でも先ほどの呟きの意味はそうではない。自分なりに好きに着れば良い。そこに「ねばならない」「こうしなさい」は返って大きなお世話なのだ。「私ならこう着たいな」という気持ちが着物の世界へと自ら誘うのだ。ここで言う「着方」は決してスキルではないのだ。

2、 「着方」を提案出来たら呉服販売は変わるかもしれない
「消費者は初めての体験するものには決まりがあると思っている」
私は常にそう思っている。当たり前の事だが初めての人にはそれが戸惑いであったりストレスであったりする。きものにとってもそうだ。はじめてきものを着てみようと思っている人にとって「着付け」は最大の難関というイメージがある。そして誰かにそれを習ったとしてもやはり、「こうしなければ」の連続である。その難関が頭をよぎり「着る機会がない」「自分で着れない」という理由で着物が欲しいと思っても断念する人は多い。

「着付」ができなければ「着方」は提案出来ないと思うかもしれない。もちろん着方を楽しむまでにはある程度の着付のスキルは必要だ。しかし、着方という「きものを着る楽しさ」が見えていれば、着付けは心理的にさほど高いハードルにはならない。現に初めてきものを買った人で着る楽しさを販売時に十二分に伝えてあげると、「頑張って着付け覚えてこういう風に着たい」ということを言ってくれる。

いまの着物の販売に必要な部分は、着物が着れる販売員ときものが初めてのお客様とが「共感」することである。なのに販売員とお客様がなかなかシンクロしない。それは今の販売が「説得」になっており、お客様を「納得」させようとしている場合が多いからだ。お客様と共感しなければいくら価格が安価でもお買い上げ頂けない。
そのためにも呉服店はお客様に対し、この「着方」を提案し、共感する事によってお客様とシンクロする販売を目指して欲しい。そうすれば必ず新しいお客様は増え続ける。結果そのバロメーターとして「売上」がついて来ると思う。

本日のまとめ
1、 新しいキーワードとしての「着方」を考えよう
2、 「着方」を提案したら呉服販売は変わるかもしれない

「着方」を提案したフォロワーの本来の想いは、今の着付けが「着せ付け」になってはいないかということへの警鐘だ。それによってただでも着る人が少ないのにこのままではもっと少なくなりかねないということから来ているのだ。人は十人十色。同じ着方はあり得ないしつまらない。もっと自由に自分にあった「着方」にすればいいというものだ。今回の私の着方の観点はそれをヒントにし、アレンジさせてもらって新しいお客様がきものを着る事を楽しいと思って頂くキッカケをつくる呉服販売のあり方を提案している。多少の解釈は違えど着物ファンを増やしたい想いは変わらない。
また、3月2日にオープンする「白イ烏」には楽しく自由な着方を提案し、お客様とシンクロ出来るような「共感販売」を期待したい。

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コメント

着物は窮屈で不自由というイメージが強いですね。
今は初めての着物が礼装だったという方が多いと思います。
着物を着る貴重な機会である成人式や結婚式で、苦しくて酷い目にあった、なーんて場合は2度と着たくない!という事になりかねません。七五三もトラウマにでもなったら可哀想…
逆にイメージと違って1日着ていても崩れずに楽だった、楽しかったという方はまた着てみようかなっていう気持ちになりますよね。
着物の入り口として着付師の腕は責任重大だなぁと思うのです。
礼装から徐々に普段の着物に興味を持っていただける様にしたいな~ 
一着付師としてのつぶやきです。。。

投稿: @birth526 | 2010年3月 1日 (月) 15時52分

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