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2010年4月18日 (日)

なぜのなぜのなぜ

犬の散歩をしながら空を見上げると、久しぶりの星空になっていた。沢山の星が輝いているが、ふと思うとそのほとんどが数年前に発せられた光であり、過去の光を見ているのである。もし44光年先にある星を見ているのであれば、私が生まれた時の光である。中には北極星のように600光年、いわゆる600年前の光を見ていることになる。やはりロマンを感じざるを得ない。

先日、宇宙が誕生したのち暗闇から星がどのようにして生まれたかを計算上解明した1人の日本人天文学者がクローズアップされていた。その学者はビッグバンで宇宙が形成されたといわれる約137億年前に何も存在しない暗黒の状態からどのようにして星が誕生したかを、地球上に存在する方程式をすべて繋ぎ合わせ、PC上でそこにデータを入れこんでいくという気の遠くなる作業を続けなんと7年後についに星の誕生のプロセスを計算上解き明かしたという。

なぜ私達は存在するのか?なぜ地球という生命が宿る天体が誕生出来たのか?そしてなぜ太陽系の中で地球だけそういう星になったのか?1つの疑問をどんどん突き詰めていくと、その疑問の答えは1つではなく、むしろどんどん広がっていく。それをとことん考え、突き詰めて今回の星の誕生のプロセスが解明出来たのではないかと感じる。やはり答えはそう簡単に出ないし、出してはいけないのかもしれない。

私も企業バイヤーだった頃、とことん「なぜ?」を求められた。半期毎、そして年間毎の担当商品の売上実績総括はとにかく深く深く追求された。たとえ実績が良くても悪くてもだ。トップである社長から直接突っ込まれる。これが中々の難所であり、毎回関所のように自分に立ちはだかっていた。

分析自体は当然まず数字からはじまる。その分析項目も非常に細かく出さないと「なぜ?」をとことん追求することは出来ない。また分析は絶対に感覚であってはいけない。数字という冷酷な事実を深く掘り下げていかなければならない。それは別に当たり前のことであり、どの企業でもごく普通のことなのだが、そこからがキツい。


「なぜ?そういう結果になったのか?」「その結果をそう分析したのはなぜか?」「そのなぜのなぜはなぜなのか?」なぜが続いていく。しかしこれは決して考え過ぎではない。1つの結果を分析する場合、「なぜ?」を多方面から突き詰めていかないと「主観」で分析をしてしまう。そういう状態で分析を完了すると次の対策がその主観を元にしたものとなり、結局改善出来ないのだ。

例えば、ある商品が目標を割ってしまった。一品単価は変化はない、客単価は上がっている。客層も変動はない。客数は減っている。売価に変更はない。この場合、購入客数が減ったことで目標を割っていることは間違いない。ではなぜ購入客数が減ったのか?この例の場合その要因の殆どを商品内容にもっていってしまう。確かにそこに大きな要因はあるかもしれないが、もっと「なぜ?」を突き詰めることによって、様々な要因が出てくる。扱い店舗の売れ筋動向、店頭での陳列の変化、気候の変化によるそれを取り巻く他の商品動向の変化、またはコーディネイト商品の品揃えや動向の変化、などなどより広く捉えていくことによって、本当の理由が見えてくる。

様々な要因と言う点を線で結んでみて、一番根拠のあるラインを再分析し、結論を出すことが、次に繋げる為に最も必要なことであることをこの「なぜのなぜのなぜ?」という突き詰める総括で学んだ。当時は「理屈はわかるけどそこまでなぜを考えなくても」という気持ちでいたことは正直あった。しかしながら今考えるとそうしないと次のステップが踏めないということがよくわかる。

「考える」ということとそれによって「わかる」ということは、「なぜ?」という疑問を突き詰めていくことにある。それによって最初に思う「きっとこうだ」という憶測を払拭し、本当の根拠ある要因や理由を出すことができるのである。これが真の総括なのである。だからそこから出る対策が大きな改善と結果をもたらすことが出来る。

果たして呉服業界の各段階はここまで考えているだろうか?小売、問屋、メーカー。世情のせいにしてないだろうか?お客様や取引先の状況のせいにしていないだろうか?まさか不況だから仕方ないという全くナンセンスな分析とは言わない分析をしていないだろうか?

呉服市場全体が縮小している中で、黒字の企業も実はたくさんある。細かくそして多方面から突き詰めると実は気付けるはずなのに気付いていない、出来るはずなのに、出来ていないことが山ほどあるはずだ。それをなぜのなぜのなぜで見つけて欲しい。

神秘なる宇宙は全くの暗黒にある状態から輝く星を作り出した。そこには明確な根拠があったからだ。鶏が先か?卵が先か?などと漠然とした疑問で片付けていたことを1人の学者が気の遠くなるような「なぜ?」の繰り返しで、その答えを導き出した。

呉服業界はなぜ?考えるだけでは足りない。今こそ「なぜのなぜのなぜ」が絶対的に必要であると心から思う。もちろん自分も含めてである。


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