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2010年4月 4日 (日)

新しいきものの日

みなさんは「きものの日」をご存知だろうか?
実はきちんと存在するのだ。社団法人全日本きもの振興会が昭和41年に結成され、それ以来11月15日を「きものの日」と決めて、様々なイベントやきもの振興の為の催しをしてきた。ところが残念ながらそれを知っている人はほとんどいない。

今日、4月4日(日)、全国できもののイベントが数多く行われた。東京ミッドタウンでは2日から行われている六本木きものフェスタが最終日を迎え、多くの人で賑わっていた。特にビックリしたのはきものレンタルだ。料金1万円(返却時に保証金の5000円を払い戻し)で各有名呉服店やメーカーのきものをレンタル&着付けできるサービスだが、最終日の本日は朝から長蛇の列。しかもそのほとんどが20代〜30代の男女だ。カップルで着たり、友達同士で着たり、親子で着たりとそれぞれの楽しみ方をしている。こんなにきものを着たいという人がいるんだという感動をおぼえ、心から嬉しくなった。

また、話題の京都キモノジャックが2回目を迎えた。第1回目はあいにくの雨であったがそれでも大好評だった。そして今回は暑いくらいの快晴。しかもその参加人数はなんと120名に及んだという。しかも前回は京都新聞に取り上げられたが、今回はTVカメラが入った。また同時に福岡のキモノジャックも行われたが、これはきものファンの女性がたった1人で企画し、京都のジャックのメンバーの協力得ながらツイッターで呼びかけ今日実現に至ったという素晴らしいものであった。そしてまた各地にどんどん広がりつつある。

このキモノジャックに関しては、メンバー達がツイッターというソーシャルメディアを通して参加を呼びかけた全く新しいイベント集客方法だった。またその模様をツイッターのきものファン達にyoutubeや写真を通して逐一情報提供するという形をとっており、遠くにいる参加出来ない多くのきものファンまでもインターネット上で楽しませている。これにより全国できものを着て楽しむイベントが企業でなくきものファンによって企画されている。

またジャックのメンバー達は今後Ustreamを使った実況中継を検討しており、これに関しては私も大きなインターネット構想を制作会社と遂行中であるため、何かの形で協力できればと考えている。また、今回は参加者の中に世界の顧客にネットを通して古着を販売しているオーナーが参加しており、このジャックの模様を全世界に配信して沢山の反響があったようだ。もしかするとこのイベントは世界規模で広がっていく可能性も秘めているといっても過言ではなくなってきた。

また、今後も続々とキモノを着て楽しむイベントが開催される予定であり、きものファンはどんどん盛り上がりを見せてきている。

ここで、呉服業界は絶対にこの流れを停めてはいけない。一時期の過ちで陥った業界不信を消費者の立場であるきものファンの人達が自ら行動を起こし、この悪い流れを払拭してくれようとしているのだ。間違いなくこれからのきものビジネスはエンターテイメントが必要であることを示している。3年前に㈱やまとの矢嶋社長は「これからのきものビジネスはエンターテイメントビジネスである」と提唱し、売るだけでなく、お客様とのきものを着ての販売の絡まない交流やカジュアルきものレンタルを既に実施していた。まさに今その通りになり、それも消費者主導の大きな波が起きようとしている。

そしてこれからよりきものエンターテイメントを進化させていく為にどうするかが、呉服業界に課せられた大きな課題となる。
「売ることで自分のきものを持つ喜びを提供する」
「貸すことできものの良さを知ってもらう」
「着ることできものの楽しさを知ってもらう」

この3つはこれからのきものビジネスにおいて非常に大切なキーワードになる。

そしてもう1つ。これから絶対に大切になってくる「情報伝達方法の転換」である。今回のキモノジャックは京都も福岡も個々の行動力によるPR活動ももちろんあったが、ツイッターの力が大きかった。私もツイッターでは少しは知れた名前であるが、キモノジャックのソーシャルメディアの活用は物凄くうまい。1回目からそうであったが、キモノジャック開催の告知や情報を写真や動画を織り交ぜてフォロワーに提供している。それを支持するフォロワーがリツイートすることで更に大きく広がっていく。実際これを有効に使っている企業は多く、広告、アンケート、集客などに大きな効果を出している。


これからの呉服業界戦略にはソーシャルメディアの活用は不可欠であり、そうしていかなければ集客や広告は難しくなる他、今まで通りではコスト的にも費用対効果はどんどん悪化していくであろう。おそらくIT活用の重要性を本当の意味で理解していないのは残念ながらこの業界の大きな弱みであるといって良い。

携帯電話からiphoneなどのスマートフォンへの需要の変化。アマゾンのキンドルによる電子書籍の普及。ipad発売でタブレット型端末による情報取得レベルの進化とインターネット利用方法の向上。ソフトバンクのUstream買収によるソーシャルメディアの急速な普及。そしてツイッターによる人のつながりや出会い、情報交換の方法の変化等この1〜2年で情報提供と収集の方法が恐ろしいスピードで変化してきている。これによって消費行動の変化もよりスピードを増して変わってくるだろう。実店舗も無関心ではいられない。特に催事動員での集客は、現状のテレアポ方式はもう難しくなるだろう。

これからきものエンターテイメントビジネスの更なる進化は情報というコンテンツとの戦いになる。

いずれにしても今日という日の新しい意味での「きものの日」は情報というものをうまく利用し、おそらくキモノジャックという名が数千、数万の人に知らされたことだろう。それが誰も依頼していないTV取材に繋がったのだと思う。

そして何よりも、きものを着たい!きものを着て沢山の人達と楽しさを共有したいという思いが全国で一斉に開花し満開となり、きものファン達が作り上げた4月4日という新しい「きものの日」となったことは間違いない。


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コメント

こんにちは。
拝見させていただきました。
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投稿: ポルコ | 2010年4月 5日 (月) 16時53分

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