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2010年5月 5日 (水)

営業の基本

大学時代の剣道部の同期と久しぶりに会った。
彼は私の人生の中でも大親友といえる数少ない1人だ。そんな彼も今や大手セキュリティ機器メーカーの役員であり、いわゆる会社経営に携わっている社会的地位のある人間だ。彼はずっと営業のエキスパートとして会社に貢献し、役員になった今も営業部門の取締役部長として後進の育成をしている。

彼が今問題視しているのは、社員の一人当たりの生産性だ。当然、この不況による影響は多々あるとのことだが、それでも営業力という面で圧倒的に弱いという。その原因を尋ねてみると、言われたことはやろうとするが、自分で考えるということをしない。探究心が無い。とのことであった。更に何故そうなのかを聞いてみると、情報として与えられたクライアントへの営業という意識の高い特定ゾーンへの営業しかせず、圧倒的多数の、あってもなくてもいいと思っている潜在需要客へのアタックをしないとのことである

いわゆる2:8の法則で意識が高く割合の少ない2へ特化して、意識は高くないが可能性のある8にはほとんど何もしないという、将来性の無い営業だ。

さすがになるほどと思った。呉服の現状と全く同じだと。業種は違えども、営業という観点からは全く一緒の現象が起きている。簡単に言えば、労せずして成果を求めようとしている感があるのだ。当然、労せずして成果を挙げられたらこんなに効率的なことはない。それも1つの賢い方法だ。

しかしながら、意識の高い2:8の法則の「2」はそう簡単に分母は増えない。だから苦労はしても「8」に営業努力をし、少しでも底上げをしていくのが安定した営業の基本だ。しかも意識の高い「2」が仮に100人いたとしても半分はまだ購入に結び付かない。せいぜい3割がいいところだ。だからお客様を選んではいけないのである。

営業には色々な要素がある。小売での営業、保険や預貯金などの営業、メーカーとしての契約獲得営業、私のようなコンサルティング契約などの物販以外の営業、商社などの営業など様々な営業が存在するが、営業無くしては盤石な企業基盤は作れない。だからそれぞれの分野で無数にある手段で売上を獲得する努力を日々行っている。

そして物販の営業で絶対的に欠かせない基本は「商品を深く知ること」である。しかし、これがいまの呉服店では圧倒的に足りない。特に自分の店にあり、自分がお客様に勧める物がわからないのである。特に着物という商品は消費者にとって未知なる世界である場合が多く、特に初めて着物を購入する場合は、最終的には販売員の言葉を信じて意思決定するケースが圧倒的に多いゆえに、こういう状況は何よりお客様に不誠実である。

商品をきちんと勉強しているとその商品の何が良いのか?という肝心な部分が伝わってくる。口が上手いとか愛想が良いとかそういうものは2次的な物であって、重要なことではない。商品をきちんと勉強し、把握し、その良さを深く理解するからこそ、お客様にわかりやすく何が良いのかを伝えることが出来るのである。

以前ブログに書いたが、私も販売員時代は自分の店で扱っている商品に関しては徹底的に知ろうと努力した。会社から配布される商品説明マニュアルはもちろんのこと、寸法や用尺計算までも叩き込んだ。すべてはお客様の要望に応えて信頼関係を築くことで最終的にお買い上げをして頂くためである。

そのスキルが今の販売員には絶対的に足りない。何故ならそれを指導する立場の人も教えられないほど知らないからである。その結果教えることは販売技術中心の指導になっていってしまうのである。だからマニュアルありきになってしまう。だからこのブログの読者も経験があるかもしれないが、みんな同じことを言っていたり、「作家物」「滅多に見れない」「幻といわれている」などと商品の本当の良さからは到底離れた言葉で価値アップさせようとする。大体真っ先にこのような言葉をつかう販売員は商品の勉強はしていない。

もちろんお客様が着物を購入するためのキッカケ作りとなるように、販売技術も大切だ。お客様に対しての接し方、安心して試着して頂いたり、そのお店にいることが楽しいと思って頂くための訓練は必要だ。キチンとした言葉遣いやコミュニケーション能力といった面も大切である。ただ、それが全面に来てしまうとただの心の足りない販売になってしまう。着物というものを広めていくには販売の現場で1人でも多くのお客様に着物というものの楽しさや奥深さなどを心から伝えるしか手段は無いのである。

着物の普及は、着物が売れるという経済的要素が絡まなければ絶対的に広がらないし、売れなければ消滅する。だからこそ、1人でも多くの方に着物を来て頂きたいし、ご購入頂きたい。これは絶対不変の考え方だ。だからこそ、その最前線にいて、今後の着物業界を背負ってたっている販売員たちは、心の底から着物というものを、せめて自店で扱っている商品を深く知り、学び、身につけて頂きたい。そして、お客様が居心地の良い時間が過ごせるような接客技術やコミュニケーション能力を身につけて頂きたい。

そうすることで、2:8の法則の「8」のお客様に対して着物をお勧めしていく土台が出来る。これが新規客の創造の大基本であり、辛く厳しいかもしれないがお店が永続し、業界も維持していくことが出来る。

営業の基本は技術ではなくやはり自分がお勧めする商品の魅力をまず自分が深く知ることなのである。

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