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2010年5月 6日 (木)

文化と文明の融合

大型連休の最終日である今日は5月5日。
暦では「端午の節句」。いわゆるこどもの日だ。3月3日の桃の節句と同様、人形を飾ったりもするが、この五月人形、ひな人形と同様、売上自体はかなり苦しい状態であるという話だ。

また、最近「鯉のぼり」もあまり見なくなった。地方ではまだ頻繁に目にすることはあるかもしれないが、東京や私の住んでいる千葉でも残念ながら全く目にすることが出来なかった。なにか日本の季節自体が気候変動で感じ難くなっているのと同様に、そういう文化までもが変動し、淘汰されていっているのかと寂しい気持ちになる。

詳しく調べてみると、端午の節句自体は、中国の楚の国から伝わったといわれている。

日本ではもともと田植えの時期に女性が穢れを払うために身を清める儀式をおこなう「五月忌み」という風習があり、それが中国から伝わった端午の節句と混ざったようである。また宮中で菖蒲をつかった髪飾りをして、天皇から薬玉を賜った。また貴族同士で薬玉を送り合う風習があったという。

鎌倉時代に入って、「菖蒲」を「尚武」にかけ、端午の節句は男子の節句となり、男子の健康を祈ったという。これら端午の節句の変遷を見ると、中国から伝わり、宮中と庶民で別の文化として発展し、鎌倉時代という武家文化になってからはまた違う形に変化し、それが今日に伝わっている。

また鯉のぼりに関しても同様だ。もともとは男子が誕生したことを神に知らせるために幟を立てた。この幟は「五月幟」と言われており、その柄は「武者絵」、「ヤマトタケル」「鯉の滝登り」などその家の男子の無病息災を祈願しての幟であった。いまでも西日本、九州などで見られる地域もあるようだ。またその幟も手描き友禅、筒描き、現代ではスクリーン染色でも作られているようである。
その五月幟の中でポピュラーであった「鯉の滝登り」が「鯉のぼり」へと変化していった。

各地の風土から風習という文化が生まれ、受け継がれていく。いうなれば文化は伝承の産物だ。日本人は入ってくる物を加工し、独自の文化に変えていく能力を潜在的に持っている。これが日本文化を作り上げてきた根本だ。日本の衣食住のほとんどが起源を辿ると大陸から伝わっている。それを日本の各風土や風習に合わせて見事なまでに根付かせてきた。それを家族単位、地域単位、国単位で伝承してきた。

現代は文化以上に文明によって世の中が動いているような気がする。圧倒的に違うのは時間の流れだ。ライフスタイルまたはライフサイクルがその時間のスピードに合わせなければならないのであれば、間違いなく文明によってもたらされた「便利さ」を利用しなければついていけない。すべての行動の効率化を図るためにはいわゆる文明の利器を使うしかないのである。

私は「文化は伝承して根付くものであり、文明は使用することで進化するもの」と解釈している。

だから、着物文化という伝承をしつつ、「着る」を増やし進化させることによって文化と文明の融合ができるのではないかと思っている。

ここでいう「進化」は着物の着方なのかもしれないし、素材やもしかしたら形なのかもしれない。いずれにせよそれはわからない。ただ、望むことは文化と文明が融合した進化は美しくあって欲しい。鯉の滝登りの五月幟が鯉その物の形として美しく進化したようにだ。

着物の着方も歴史の中で大きな変化を幾度となくしてきている。もちろん封建社会であるが故に各階級によって着るものも違ってはいるが、特に江戸時代はその変化が激しい。そのキッカケとなっているのは帯の変化である。
江戸中期あたりから帯巾が広くなってきたことから着方自体も変わってきているのである。

そして江戸後期の文化年間に帯締めや帯揚げなどの小物が登場する。なぜここで小物が登場するかというと、「お太鼓結び」が出現したからである。文化8年(1810年)に亀戸天満宮のお太鼓橋復元に伴ってお太鼓結びが出現し、その結びを構成するためにどうしても小物が必要になった。当時は綿や麻ひもで締めていたようだが、より美しくするために古来の伝統文化であった組紐をそれ用に長く組んだことから帯〆が誕生したようだ。

この例を見ても完全に文化と文明の美しい形での融合による進化だ。
だからこそ、現代においても十分可能なことなのである。

それもすべては着る人がいてこそであり、広がってこそ進化する物なのである。

文化と文明の大きな共通点はどちらも「人」によってもたらされる。

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