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2010年5月 1日 (土)

食料品売場はわくわく

最近の天候不順で野菜がかなり高騰している。
不況といわれる時に限って、生活の直結する何かがダメージがあったりする。以前は米の問題があったり、BSEによる輸入牛肉の問題、鳥インフルエンザ、など毎日の食卓に影響するものが価格高騰という形でダメージを与えるのは非常に厳しい。

とはいえ、スーパーの食品売場はそうはいっても毎日活気がある。私もよく行くが、私の目にはテーマパークのように見えて本当に楽しい場所である。そこには様々な工夫や仕掛けが隠されていたり、お客様の行動心理や購買心理をきちんと考えたものが詰まっている。

スーパーで買い物をするパターンとして、一番多いのはその日の分を中心に購入するために毎日来店するパターン。これに関しては圧倒的に専業主婦が多く、また年齢層も若干高めだそうだ。もう1つのパターンは1週間分または3〜4日分を見越したまとめ買いパターン。これは30〜40代の共働き夫婦などが多い。また来店日も週末という傾向だ。当然これによって平日よりも週末のほうが客単価は上がるということになる。

スーパーに行った時に、よく聞かれる会話は「今日は何にしようか?」だ。食品売場で買い物をする80%の客が今日の献立を決めていない。これを読んでいる皆さんも大抵そうなのではないかと思う。学校給食のように月、または週の献立表がある家庭はそうそうないであろう。昼間に見た料理番組やインターネットの料理系ブログなどに感化されて事前に当日の献立が決定することはあるかもしれないが。

食料品売場のポイントはいかに壁面をつたって客が流れるかどうかが、レイアウト上の大基本である。たとえば、客導線あるいは駐車場の入口、登りエスカレーター、入店数が一番多い入口などの反対側に野菜コーナーをおくことが多い。なぜならまず野菜から買い物が始まるケースが多いので、それを入店数の多い入口から一番遠い場所におくことによって、理想的な流れを作り、売場滞在時間を延ばすという考え方のようだ。また一点単価の高い果物から始まっていることも多い。まさに大仕掛けが隠されているのだ。

壁面売場は主に鮮度が重要な食品がおいてある。順番としては農産物→水産物→畜産物→惣菜→パン乳製品などの順が一般的であろう。また農産物コーナーに向かい合わせで豆腐、漬け物、卵、加工農産物などのコーナーがあると思う。冷静に考えるとレストランのコースメニューのような順番にも思えて面白い。私は専門家ではないが、ある意味献立をイメージするにあったての買う順番という理にかなっているということであろう。

また見せ方もその商品アイテムによって規則性があり、葉もの、根菜、穀類などで分かれ、その調理方法を提案したり、それに必要な調味料などが置いてある。たとえば、大根や株のまわりには「浅漬けの素」がおいてあったり、ビーマンなどの近くには中華メニュー用のレトルト食材が置いてあったりする。それは水産物や畜産物コーナーも同じである。これによって献立提案をし、食材と一緒に調理補助食品も購入してもらうという一種のコーディネイト提案だ。

こういう提案型で関連品をセットでおく陳列をカセット陳列というが、これは呉服店の陳列でも壁面陳列の基本としてある。ただし、呉服売場のそれと食品売場のプレゼンテーション力を比べると残念ながらレベルは雲泥の差で食品売場に軍配が上がる。やはりイメージが湧き、興味または購入に繋がるようなプレゼンテーションは絶対的に学ぶべきである。

また売上動向も面白い。客単価は平均2500円で、一人当たりの買上点数が9.7点だそうだ。またその中で野菜などの農産物を購入する確率が約53%、肉などの畜産物は40%、水産物は31%とやはり半分以上の人は何らかの農産物を買っているようであり、この購入率をみると陳列やレイアウト、商品の鮮度とプレゼンテーションの重要性がいかに大切かがわかる。

そういった意味でも、呉服店の陳列方法も是非とも食料品売場の陳列は参考にして欲しい。なぜなら多くの呉服店は総合アイテム売場であるからだ。アパレルのショップのもちろん勉強になるが、アパレルはカジュアルショップだったり、フォーマルショップだったりとアイテムの専門性が高いので、総合という意味ではやはり食品売場が参考になる。

また陳列の基本3要素は「レイアウト」「プレイシング」「プレゼンテーション」であるが、特に「どこ」に「何」を配置するかという面では大いに参考になる。お客様には聞かせたくない表現だが、自店の扱い商品でそれぞれの商品が食品カテゴリーに置き換えたら何に該当するのか?を考えると面白い。たとえば、購入確率の高い和装小物を農産物と置き換えたら、客導線を考えた場合どこが一番いいのか?などと考えていけばいいのである。

またレイアウトに関しては、呉服店は自然入店が極端に少なく、食品売場のように壁面伝いという考え方は当てはめにくい。ならば、各商品群、またはカテゴリーを縦割りにしてゾーン分けする方法がわかり易い。

例えば、全体を見渡せるように小物を中央に持ってきて、向かって右のゾーンをフォーマルゾーンとし、左側をカジュアルゾーンとする。どちらも店先はある程度低価格設定の商品を配置し、お客様がイメージし易いようにトルソーなどを使用してコーディネイト演出をする。店内の壁面はできるだけわかり易く着方提案と関連品をキレイに配置していわゆる「カセット陳列」などをしてわかり易くする。当然のことだが、それぞれにプライスをつけることは不可欠である。

もちろん上記はあくまで一例であり、店の構造、地域性、立地条件、顧客傾向などで違ってくる。しかしながら、先述した陳列の基本3要素はどんな場合でも当てはまる。そして何かを参考にすることで商品自体は変わらなくても、お客様が興味を引くまたは「入り易い」「見やすい」「わかり易い」陳列は間違いなく出来る。

そういった意味でも、私にとって食料品売場を常に意識してみることは、営業戦略、シーズン戦略、集客戦略など様々な面において非常に勉強になる。
そしてお店は誰のために存在するのか?が心から理解出来る。

だからこそ、私にとって食料品売場はわくわくなのである。

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