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2010年7月

2010年7月30日 (金)

人は善なり

ものすごく久しぶりのブログ更新となった。
お陰さまで沢山の企業や小売店、教育機関も含め私に声をかけて頂き、それによって全国で沢山のお手伝いができることは、非常に有り難く嬉しいことであり、また自分の呉服業界における夢の実現に少しでも前に進めているのではないかという実感もできつつある。

最近多くの小売店のお手伝いをするようになって、様々なことを考えさせられる。もちろん私が以前勤務していた大手NCチェーンのようにはいかないことは沢山あるし、それを基準にしては絶対に成り立たないことも多くある。

例えば、専門店の9割近くは新しいお客様を作ることはお店の立地面や状況的にみると非常に困難なことであり、またそうはいっても毎月の売上の確保がお店の維持のためには絶対的に必要であることからどうしても催事偏重型の営業になることはある意味仕方がないことである。

また新規客が作れないから、どうしても振袖という売込む商品が明確で、顧客名簿を買うことで入手出来るほうに注力してしまう。これに関してもまた致し方ないことだ。ただし、振袖に関してはこの先非常にアプローチが困難になることを覚悟しておかなければならない現実が近づいている。このことに触れるのはブログでは控えたいが、あまり振袖に注力しすぎるのは専門店としてあまりにリスクの高い経営であるといくことだけは忠告しておきたい。

私に関してはブログで何度も言って来た通り、専門店は再度新規顧客の創造に注力すべきだと思っている。これに関しては全くブレていない。ならば現実どうすれば良いのか?という部分が大きな壁ではなかろうか?

これに関しては、ブログで事細かに記しても返ってわからなくなるだけなので、深くは述べないが、多くの専門店をお手伝いする中で確信出来た新規顧客の創造の仕方が「再生新規」という考え方である。これは私の経験からの持論であり、現に効果が出始めている。これからの小売店向けのセミナーや研究会などで話をする予定だが、これがもし多くの小売店に有効活用され、それによって少しでも専門店の店頭営業が活性化できれば、そこに商品を供給する問屋やメーカー、最終的に生産者まで良い意味での波及が出来ればと夢見ている。もちろん現実はそう簡単ではないこともよくわかっているが、何もないよりはマシだ。

ここで断っておくが、これに関して多くをブログで語らないのは、決してこれをネタに営業しようとしている訳ではない。ただ単にここでそれを偉そうに書き記したとしても、ただの理想論に受け取られてしまうだけだからだ。それにも増して、解釈の仕方を間違えると結局無駄な努力になってしまう恐れもある。だから新しい考え方は新薬と同じように、仮説と検証、そして処方の仕方までじっくりと固めていかなければならないと考えている。

今回のブログの本題も、実はそれに則したものである。

今、数多くの顧問をさせて頂いている中で、あるローカルチェーンの店運営のお手伝いをしており、そのチェーン全店を受け持たせて頂いている。とはいえ地方のロードサイド型チェーンであり、インショップ型とは違い、多分に漏れず非常に集客に苦戦しているお店である。もちろん放っておいたら1日誰1人もお店には入店しないような典型的な専門店である。だからどうしても電話や訪問を中心に毎月行われる催事の集客をして毎月の売上を何とか確保している状況である。

私は店頭営業推進派であるから、それとはかなりかけ離れた状況の営業スタイルではあるが、先に述べた「再生新規」という考え方のもと店頭の活性化、しいては専門店の新規売上再生を目指してお手伝いをさせて頂いている。

一方でそれを実行していくためには、各店舗の社員さんとのコミュニケーションは必要不可欠だ。どんなにいいアイディアややり方を持ち込んだとしても、コンサルタントという社員さんから見れば得体の知れない人間から、偉そうに講釈を述べられて、その通りにやって欲しいといわれたところで誰もこちらを向いてくれない。だから私は常にまず取り組むことは、社員さん達とのコミュニケーションを通して信頼関係を築くことを必ずしている。


だから具体策の実施までには少しの時間が掛かるのだが、のちのち継続してそのお店に定着させるためには絶対に必要不可欠なことである。だからすぐに結果を欲しがる経営者や店の店長に納得してもらうのも大変だが、幸いなことにいまお手伝いしている小売店の経営者の方々は非常にその辺を理解して頂いているからとても有り難いのである。

そして信頼関係構築の段階では、社員さん達の生の声を徹底的に聴くことから始めるのだが、女性が多い職場とあってかその意見も不平不満から人間関係の悩みやら、いわゆるソフト面が恐ろしいほど出てくる。もちろんその内容は上長が聞いたら怒り狂うであろうという内容ばかりである。

私も経営者や店長の立場でその話を聞いてしまうと、「それは単なるわがままでしょう?」とか「仕事なんだし、給料をもらっているんだからそこはわりきらないと」などと当然のように思ってしまうし、現に私が店長時代にはそう思っていた部分もある多々ある。

しかしながら聞き方を変えて、「この店はこうすれば善くなる」というヒントが隠されていると思って聞いてみたら意外にも前向きな意見として捉えられるのではないかと思う。

これは私がかつて人的マネジメントを徹底的に教わった素晴らしい上司の基本的考え方であり、その人の考え方は常に「人は善なり」が基本になっている。簡単に言えば、「はじめから悪い人間は存在しない」という考え方である。

何か哲学的な要素を感じてしまうかもしれないが、「不平不満」「わがまま」「甘えた意見」「問題点の指摘」「アイディアやヒントの提案」「改善点の抽出」という風に受け取り方を変えてみて、人の意見をプラスに転換して受け取るようにすると、意外にその組織の大きな問題点に気付くことが出来、改善の糸口が掴めるかもしれないと思えるようになってくるという考え方である。

これは苦情対応と共通する部分なのであるが、苦情が発生した時に「勝手なことを言う客だ」という姿勢は、その苦情を解決するどころか傷口をより拡げる結果になり易く、また何度も同じことを繰り返し、強いてはもっと大きな苦情へと連鎖していく。

逆に、その苦情を「そう思うのももっともだ」という姿勢で聞くと、苦情に至った経緯やどうすれば良かったのか?そしてこれからどうすべきなのかが的確に見えてくる。そしてそれを一分一秒でも早く対処することで、同じ過ちは減り、顧客満足度の高い営業に繋がっていくのである。

人はマイナス面を言ってくる人を敬遠しがちだ。それどころか、その人を真っ向から否定した見方をしかねない。当然人間だから嫌なことを言われれば、嫌な気分になり、強いては嫌なことを言ってくる人を避けるまたは非難するようになり、結果的にその人を「考え方に問題のある人」というレッテルを貼ってしまうことが多々あると思う。

しかし、強い組織を作っていくためには、そういう人をも「善」として見て、何故そういうことを言うのかを深く聞いて知ってあげることが大切なのではないかと最近特に思う。

自分以外の人間は自分にないモノを持っている。だから相手は自分と違うのだということを認める事が出来、ならばお互いがその中から共感し合える、または協調し合える部分を考えていくことが、組織の中の信頼関係の構築になるのではないかと思う。またそういうことが出来る長がいるお店はやはりピンチに強い。

私は部下を持つ立場ではもうないが、仕事上で出会う人はすべて善というふうに思うことを心掛けている。
特に呉服の営業は人と人との繋がりが非常に大切な職種である。店員とお客様、社員と上司、全ておいて共通することなのではないだろうか。

人は善なり。信頼関係構築の大前提なのかもしれない。


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