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2015年9月 9日 (水)

いま私が考えていること

きものがSNSを中心に情報が表面化してきて、若い人たちや色々なグループが新たな動きをしたりと風が吹き始めていると感じる。恐らくここ5年の急激な流れの変化だ。

個性的な企業やショップが出現したり、新たなビジネスモデルやヒット商品がどんどん情報として流れたりとネットの力もそれを後押ししている。

とても良いことだし、もっともっと盛り上がって欲しい。

ただ、気になるのは「なぜ市場の絶対額が伸びないのか?」である。前年は伸びるどころか更に縮小している。もちろん経済状況もある。2014年度は増税の反動減も影響したといわれ前年比94.7%であった。今期は回復傾向とあるが、増税の反動減で約7%市場が下がり、今期回復傾向といいながら1%しか回復しない予測。

30年ぶりに市場が前年を上回った2013年も前年に比べて1%の増だったことを考えると、2013年の3010億円に戻るためには、単純に7年もかかるということだ。もちろん今以上のきものに対する市場開拓を続けたとしての前提だ。

また市場が上下する中でも着実にその構成比を伸ばしているのがネット小売だ。2014年度は18.9%と一般専門店のシェア22.1%に迫ってきている。10年前のネット小売は5.6%、5年前は15.7%と伸ばしてきている。もちろんネット小売店舗数の増加もあるが、一般専門店のシェアは10年間で約10%もシェアを落とし、現在も減り続けている。

市場はGDP(国内総生産)の原理と同様に絶対市場人口に比例する。特にニッチ市場は高齢化した既存顧客商売になっている一般専門店と潜在需要客を含め絶対数にアプローチできるネット小売とではこれからどんどん差が出てくる。そのためリアル店舗はネット小売との連動としてオムニチャネル化を意識するのだが、経営者や従業員の世代交代や顧客の世代交代が出来ていない多くの一般小売店はそこに着手することは現実的に難しいし、跡継ぎがいない、または跡継ぎをしないということになれば金融機関からの資金融資も難しくなり、時代の変化への対応はできずいずれ店を畳むことになるというのが私が危惧している未来現実の1つだ。すでにそれが始まっていることも現実である。

この状況が続けば間違いなく近いうちに一般専門店とネット小売の売上構成比は逆転する。そう考えるときものの価格に対する概念と流通に求められることは大きく変わるだろう。

ただ、前述したとおり、こんなに近年きものの情報が表面化してきて、色々な動きが出てきているのに、絶対市場が伸びず、販売チャネルの構成比だけが変化しているという状況は、実は大して全体には広がっていない内輪ウケ状態なのではないかということを感じる。

いわゆる「きもの脳を持っている人」を刺激しているだけで、まだ「きもの脳になっていない人」にはまったく届いていないということなのかもしれない。

市場の拡大は「潜在意識の顕在化」と同時に「新しい価値創造と主体性」によって成り立つと言われているが、「きもの脳を持っていない絶対数」に対して今の流れをいかにアプローチしていくかが、市場を広げる大きな鍵となるのではないかと考えている。

再来年4月には消費税が10%になる。更なる消費価値観による消費の選別が始まる。だからこそ経営資源の投資の仕方のパラダイム転換がいよいよ必要になってきたと考える。

要するにまだまだ我々は「お茶を濁す程度」の段階であるということをもっと自覚せねばならない。

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