« いまこそ本当の意味で未来現実という予測を! | トップページ | 様々なキッカケになった1年 »

2015年10月18日 (日)

休眠客の再顧客化について考える

昨今呉服小売店では「休眠客の掘り起こし」にスポットが当たっている。

休眠客の再顧客化は基本的に全ての物販業界でカテゴリ化されている見込み客の1つであり、様々なマーケティング活動によって定義化されているのでそれ自体は有効な営業活動と言える。ただ私自身がこういう事にとても細かい性格なので、休眠客の掘り起こしが呉服小売店にとって本当に有効なのか?をいろいろ考えてみた。

経済の法則の中に「パレートの法則」というのがある。簡単に言えばニッパチの法則というものだ。その店の8割の売上は全体の2割の客数で作られているもの。以前にこれを実証したくて数店舗のクライアント先で分析したが、呉服小売店のケースは37の割合が多いようだ。店全体の7割の売上を3割の顧客が作っているというもの。

仮に年商1億の店があったとして、現在呉服小売店の客当たり単価は催事売上傾向が高いので平均で6万くらいだから、その店の総買上客数(総伝票枚数)は1666人。仮に1700人として考えた場合、その3割は510人。その510人で店の7割の売上である7000万を作っているとしたら、客単価は13.7万円。催事での平均客単価は15万円くらいなのでほぼ整合性がある。

ここで考えてしまうのは、年商1億円の店の平均必要人員は5名くらいなので、店全体の総買上客数が1700人のうち、3割の510人が売上の7割を支えているとするならば、販売員一人当たりの有効な稼働顧客は約100人強という事になる。販売員一人当たりの総客数は340人でそのうちの3分の1以下しか稼働できていないということになる。また計算上稼働客数が100人いたとしても、呉服小売店の場合は1人の顧客が年間に複数回購入する割合が多いので、実質は半分の5〜60人くらいしか実稼働顧客はいないだろう。

ということは、総客数が相当数顧客データとしてあったとしてもほんの一部しか稼働顧客化出来ていないということは、キチンと顧客を管理し、できるだけ多くのお客様をフォローする仕組みがないという事になる。

また休眠客を掘り起こして再購入に繋がったお客様で、1年以内に店を利用したといういわゆる再顧客化に成功した割合を2店舗のクライアント先で分析してみたが、これまた1割にも満たなかった。これは休眠客掘り起こしが意味が無いのではなく、既存顧客も満足に管理やフォローができていないのに、せっかく再購入化出来た休眠客を満足にフォローできるわけが無いという考え方になってしまう。

ましてや何故休眠状態になったかを考えれば、

「商品やサービスに不満があった」

「店や店員の対応に不満があった」

「きものへの興味が薄れた」

「生活状況が変化した」

「購入出来なくなった」

などの理由が大半である。

そういう中で再顧客化しようとする訳だから、再購入に至った時にその不満を解消出来なければ今度は永久に見限られる可能性もある。

その場しのぎの売上作りには有効な手段ではあるかもしれないが、本気で土台となる顧客管理やフォローの仕組みをまず構築しなければ、休眠客掘り起こしの連続は売上自体を急速に落とすキッカケになりかねないと感じる。

既存顧客が少なくなってきたら、取りあえず売上作りのための休眠客掘り起こしをするというのはあまりにも短絡過ぎるのでは無いかと感じてしまう。

大切な自店のお客様が長くお店を利用してもらえるような地道な創意工夫や顧客にどう貢献すべきかを考えていかねば、3割の稼働顧客の維持さえもできなくなるだろう。現にそうなってきている傾向にあるが、、、、。

「人間は栄養を取らねば生きていけないが、人生の目的は栄養をとることなのか?」ということを考えた場合、

「店は売上を上げなければ生きていけないが、店の目的は売上を上げることだけなのか?」という考え方をすれば自ずと何をすべきか?が見えてくるはずなのだが、、、。

|

« いまこそ本当の意味で未来現実という予測を! | トップページ | 様々なキッカケになった1年 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1284655/62108926

この記事へのトラックバック一覧です: 休眠客の再顧客化について考える:

« いまこそ本当の意味で未来現実という予測を! | トップページ | 様々なキッカケになった1年 »